薪ストーブの点火





wan-1のお客様は「薪ストーブ」に興味を持たれる方が多いので今回は(も)薪ストーブのお話です。 (^^ゞ





1. ガラスの掃除・灰捨て

我が家の薪ストーブは暖かくなるまで、1~2時間はかかるので、開店1~2時間前に作業を始めます。


先ずはガラス磨きから。
アンモニア水を使って磨きます。(これで目が醒める)

  関連blog: 小ネタが三本 Ⅹ

前日、高温でよく燃えていたらこの作業は楽になります。
くすぶっていたりするとヤニが付き、面倒くさい作業となります。


ガラス磨きが終わると前日の「灰」を「専用バケツ」に捨てます。
灰の中には熾(おき)が残っている事が多いです。

昨日はpm3:00頃に最後の薪を入れたので18時間は燃え続けていた事になります。


灰の中の熾(おき)は数日間くすぶっていると言われます。
だから、いきなり畑などに撒かないで「フタ付きの専用バケツ」に入れ完全消火を待つのです。



(燃しながら灰を取り出せるタイプも有るので、北国では冬の間は24時間燃やし続ける事もしています。)




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- 灰を撹ぜると熾がでてきます -

コノ位の熾の量だと、ストーブ表面は冷たく感じます。



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- 点火する前のお店(薪ストーブを置いてある)の室温 -


昨夜は結構冷えました!

周りのレンガなどに蓄熱しているので部屋の気温はそれほど下がりません。







・・・ 以下 長々と続く






2. おまじない

火の着け方は色々有りますが、楽をしたい時は「着火剤」を使用します。
着火剤と言っても焙烙鍋などで使用する「固形燃料」を使用しています。
安くて入手しやすいのです。

先ず、台所などで換気扇が回っていたら止めます。
(気密性の高い家だと煙突が逆流します)

着火剤に点火したら煙突に通じる路を炙ります。
そうすることにより、煙突内が暖められドラフト(上昇気流)が起き、炉内の空気を煙突が吸い始めます。

これで炉内で火を燃やしても、煙を吸ってくれるので室内が煙くなることはありません。


「おまじない」と呼んでいます。




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- 『目覚めよ~ 煙突!』と唱えます -










3. 薪に着火する

着火剤(火種)を灰受けに置き、上に薪を積みます。
この薪の積み方が一番のポイント。
2本の薪の燃えやすそうな部分を火種に向け、付かず離れずの隙間を空け並べます。

小枝や松ぼっくりが有れば更に点きやすくなります。



大きな火種があっても1本だけの薪ではなかなか燃えません。
しかし、小さな火種でも2本の薪が適度な間隔で並べられていると良く燃えます。

薪は不思議で面白です。





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- 薪の置き方がポイント -









4. 安定期

1cmほど隙間を空け「ガラス扉」を軽く閉めます。
未だ煙突の吸いが弱いので、完全に扉を閉めると消えてしまうことがあるのです。

吸引力が弱くても扉の隙間から沢山の空気が流れ込みます。


この状態で10~30分放置します。


煙突が本気で働いてくれるのを待つのです。



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- だいぶ炎が大きくなりました -









5. 温度急上昇

煙突が本気になったタイミングを見計らって「ガラス扉」を完全に閉めます。

扉1cmの隙間からボ~~っと入ってきた空気が遮断され、炉内にある「吹き出し口」から勢い良く薪に向かって吹き出します。
すると、ターボが効いてくるかのように炎が白色化し加速します。

フイゴや火吹竹の要領ですね。


こんなに勢い良く燃えるのは最初の数十分だけ。
やがて一定の温度になると落ち着いた炎になります。

全体に火がまわり、炉内の温度が上がるとバイメタルの働きで「空気取り入れ弁」が閉まります。
・・・と酸素を失い炎が弱まります・・・
・・・と炉内の温度が下がり「空気取り入れ弁」が開きます・・・
・・・と空気が勢いよく炉内に吹き出し・・・
  (以下繰り返し)


我が家の薪ストーブはおかみが一人で運転することを想定してオートマチック(で温度管理)を選びました。


「薪ストーブ好き」には物足りないですね。




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- 高温になり白色化した炎 -

煙突内の温度と外気温に差があればあるほどドラフト(上昇気流)は強くなります。
寒い日の方が勢い良く強く燃えます。

だから暖かな日も、寒い日も室温はそれほど変わらないのです。
(消費する薪の量は変わりますが)

実に上手くできてますよね!



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- 温度調整はこのレバーで行います -

「空気取り入れ弁」の角度を調整しています。
低温設定にすると弁は殆ど閉じた状態となります。



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- ストーブ表面の温度 -

我が家の薪ストーブの場合、200℃を超えた辺りから完全燃焼となり、
煙突からは白い煙が出なくなります。









6. その他

着火が終わると2台のシーリングファンを回します。
高い所に集まる熱気を家中に撹拌するのです。

小さな薪ストーブですが我が家の2/3を温めてくれます。

  関連blog: 薪式セントラルヒーティング




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- 2Fのシーリングファン -





一日に使用する薪の量をよく尋ねられます。

平均すると↓コレ位です。


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- 大きめのスーパーのカゴ1杯位でしょうか -

コレに着火用の細い薪が+2~3本必要かな。



am10:00頃~pm6:00頃までお店の室温を18℃に保ってくれます。v(^^)v

寒い時にはコレの2倍程燃やすこともありますが、燃費の良いストーブだと思います。









薪ストーブに付いてきたマニュアルに「正しい点火の方法」なる項目がありました。
(上記の方法とは随分異なります)

・・・んが、ソコに書かれている方法では火を点ける事はできませんでした。

また、このストーブを設置してくださった「老舗 薪ストーブのプロ」の方も何度か「経験豊富流?」でチャレンジしましたが、全く燃えずにくすぶって帰りました。

『自分のストーブは自分で点け方を探して!』だそうです。

ストーブ本体の特徴や煙突の能力、使用する薪、外気温などで違うのです。


これだけ詳しく書いたから、我が家の薪ストーブは誰でも点けれますよね?



ワンコ達が大好きな薪ストーブのお話でした。




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- ワンパターンの図 -




◇◇◇




pm3:30(どっかの国から飛んできそうだな)に今日準備していた薪(上の写真)、最後の2本を入れました。

これで明日の朝は12℃位を保っているハズです。



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- 薪を入れ1時間経過 元気に燃え盛っています -




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- 夕方の室温 -


2Fのリビングはもう少し高く、20℃位です。






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